これはぜひ知ってほしい。
一本一本の木々に愛情を持って練られた「植栽プラン」
   
ベンチモニュメントは、発泡スチロールの型に合わせて中国で制作。このビミョーな曲線。私は手ごねUFOと呼んでいます。
 
エゴノキ
実の皮に毒があり、えぐい味がすることからこの名が。花は4・5月。
 
(左)九州熊本の苗場からはるばるやって来たケヤキ。隣同士で植えられていた兄弟ケヤキが、偶然、「堂島アバンザ」ビルにあるそうです!
(右)いずれは、こんなに堂々たる樹に?
  暖かくなってくると虫も地中から這い出して来るように、一気に明るくなった日射しに、私たち人間もついついビルの奥から表へと誘われますよね。
ふと見れば、冬枯れだったビルまわりの植栽にも、新緑の訪れ!色彩のない灰色の一帯が、いつのまにか黄緑色の衣をまとい、きらきらと輝いています。
この生命感あふれる印象深い変化には、思わず心も弾みます。

一般的に、ビルの植栽は管理の簡単な「常緑樹」のみで無難にまとめてしまうのですが、ニッセイ新大阪では、あえて「落葉樹」も採り入れ、季節感を出すことを重視。敷地と道路との境界はぐるりと常緑樹で囲み、敷地内には落葉樹を配しました。その結果、これから季節がかわるごとに、新緑・花々・緑陰・紅葉…と変化ある空間が見られそう。
 また、オフィスビルながら、ハードで硬質なイメージではなく、全体的にソフトでやさしい雰囲気を目指して創られたというのも興味深い話。細く、木漏れ日の美しい“株立ち”の木々の下草に、大阪近郊によく見られる草々を配し、里山の明るく軽やかな感じを出しています。
一方、シンボルとして、敷地北西角には1本のケヤキ、敷地南東角には、ヤマザクラを。大樹に育つケヤキは、年月とともに風格を増し、存在感あふれる樹となるでしょうし、ヤマザクラが、花の季節に駅からの人々の目を楽しませてくれることでしょう。

このビルの植裁プランを担当した日建設計の登坂さんをはじめ植裁専門家の方々。一本の樹や石を求めて、日本全国を飛びまわっているとか。お話をお伺いすると、一本一本の樹と植裁プランへの熱い想いが伝わってきます。これから樹木がどう成長していくのかさえも見えているかのよう。植裁は、ビルの竣工が“終わり”でなく“始まり”。私達は、新大阪の樹木がこれからどう育っていくのか、楽しみですね。